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近年では家族の手で亡くなった人をお墓を建立して埋葬するのではなく、遺骨を引取り「永代供養」をはじめとする「手元供養」「海洋散骨」や「樹木葬」など新たな葬送の方法が広がっています。
その葬送に対して新たなサービスが拡充しています。
・お墓が用意できるまで一時的に預かる「預骨(よこつ)」
・家まで遺骨を引き取りに来てくれる「迎骨(げいこつ)」
・宅配便で送るだけで合同のお墓に埋葬してくれる「送骨(そうこつ)」
家族が葬儀もせず、ご遺骨も引き取らない、墓も作らないことを「0(ゼロ)葬」とも呼んでいます。
「私たちはみんな死ぬし、死んだ後には遺骨が残る。その遺骨の扱い方がどんどん変わっていくということは、私たちの死んだ後がどう変わるか残された人が亡くなった人とどう付き合っていくかの変化にもつながっていくんじゃないかと思いました。」
なぜ急増? さまよう遺骨なぜ急増? さまよう遺骨
ある葬儀会社さんでは、お墓を建立しないご遺族のために、ご遺骨を一時的に預かる「預骨」というサービスを提供しているそうです。
保証金を数万円納めれば預けられる手軽なサービスのようです。
数年前と比較して、このサービスの利用者は増加しているようです。
利用者は「高齢の母親の医療や介護費用がかさみ、100万円以上はかかる墓を買う余裕はない」とインタビューに回答していました。
この葬儀会社の預骨サービスは、墓が用意できるまでの一時的なものですが、当初は想定していなかった事態が起きているようです。
預骨サービスでご遺骨を預かっている方と連絡が取れずに郵便物が返送されてくるそうです。
ご遺骨を預けたまま、音信不通となる家族が増えているそうです。
サービスを提供している葬儀会社さんからすると「悲しい現状」ではないかと思います。
最近だんだん多くなっており、葬儀会社さんで処分してもらえると考える方もいる。とコメントしていました。
引き取ってもらえない遺骨も哀れかもしれませんが、
引き取りたくない遺骨を引き取らなきゃいけない、その家族も哀れだと思うんです。
これは恐らく、核家族化とか、それから親戚のつながりが薄れる中で、その家で支えるための想いが変化してきたのではないでしょうか。
昔は、みんなで分かち合って、家で支えていたのが、もう支える想いが明らかに落ちていて、しかも、生きている間は、まだ家を意識しないでも済んだんだけれども、亡くなった後に、遺骨を引き取るのは家である、その家族であるっていうふうにいきなり浮上してくるというか、突きつけられてしまうんでしょう。
もう1つが、生涯未婚の方が増えているということです。
一生一度も結婚されない方です。
配偶者やお子さんがいらっしゃらないので、誰が弔うのかという問題が出てまいります。
結局、おいや、めいが面倒を見てくれるのかということですね。
それから、熟年離婚をされる方も増えています。
家族の形が多様化しているので、本当に子どもや孫が弔えなくなってきているということが背景にあると思います。
弔いの在り方を考えていかなければいけないが?
改めて考えてみると、この老後の親の介護とか、そういう問題ももちろん大変なんですが、亡くなった後の、まさに遺骨やお墓をどうするかという、老後のあとの問題が当然増えていく、大きくなっていくと思うんです。
今までは、みんなで支え合っていたんだけれども、支える、分かち合う幅が減ってきてしまった中で、その遺骨を亡くなった人とどう付き合って行くかが問われるんじゃないかなと。
さらに手続きが簡略化された「迎骨」「送骨」というものもあります。
手軽に利用する人たちが増える一方で、こうしたサービスが救いになったという家族もいます。
【迎骨サービス】
足腰が悪く、遠出ができない利用者さんは、遺骨を自宅まで引き取りに来てくれる「迎骨」というサービスを利用しました。
高齢になってから結婚したため、互いの親戚に会ったこともなく、実家の墓も別々で一緒に入る墓はありません。
年金生活で、十分な蓄えもなく、新たな墓を作ることもできず、困っていました。
遺骨の行き場に困った利用者さんが偶然見つけた迎骨のサービス。
ほかにも・・・
”会ったことのない叔母の遺骨を引き取り、困っている。”
“別居したまま疎遠になった夫が孤独死をしたが、弔う墓がない。”
そこから見えてくるのは本来、遺骨を引き取るはずの家族や親族の関係が疎遠になっている現実です。
そうした背景から、さらに手軽なサービスも登場しています。
遺骨を郵送するだけで埋葬してくれる「送骨」のサービスです。
さまよう遺骨 変わる弔いの形
お骨を送り出した後のご家族のほっとしたような表情が印象に残った。
こうして見ていると、『お骨とはなんだろう』と考えさせられます。
法律上は遺骨は物ですから、遺骨をどう納めるのか、安置の仕方については多様な選択肢が出てきています。
また、残された人が死者をどう弔うのか。
「未来の家族に負担をかけたくない」
「お葬式を何のために行うのか、みんなが納得できれば形式にはこだわらない」
こうした、さまざまな動きは広がっていくのでしょうか。
お骨は残るものなんだと、改めて感じさせられた。
『お骨を拾う』というような言い方もあるが、これは最後の最後、自分が亡くなった後、自分の遺骨の世話を誰かに頼らなきゃいけないわけですから、その誰かが必要だと思います。
その選択肢は、たくさんあると思います。
これから自分のこととして考えなくてはいけないことですね。
このページの内容はNHK「クローズアップ現代+」にて2016年9月21日に放送された内容を基に抜粋してご紹介しております。